タイ 地域を愛する子どもを育てる
Nongmek village council(ノーンメック村村議会)
タイ東北地方の農村に住む子どもたちが、自分自身や生まれ育った地域を愛することができるようにするにはどうすればいいのか。多くの人が共同意識を高め、地域コミュニティの絆を強化することが、子どもを支える基盤になると村人たちと一緒に考えながら様々な活動を行っています。
首都バンコクから約470キロのタイ東北部コンケン県ムアン郡ノーンメック村とその周辺。降雨量が少なく、干ばつと洪水を交互に繰り返す地域です。主な産業である農業だけでは生活が成り立たず、多くの村人は収入源を他の地域や外国での出稼ぎに依存しています。
親世代の出稼ぎ、離婚、再婚、別居などによって祖父母や親族と同居する子どもが増えました。そして家庭で頼れる大人を見いだせず携帯電話やネット依存、早すぎる性行為、酒やドラッグなどへと走った末、学校からドロップアウトする子どもも少なからずいます。出稼ぎが多く、地元文化の継承や秩序を維持する大人たちの数が少ない中、人と人の絆も弱く子どもたちには居場所がありません。子どもたちが安全に過ごせる地域を作るためには、まずは地域で暮らしていける経済力を有機農業や地元の資源を使って身につけることが大切です。
子どもの居場所
放課後、週末に誰でも来て学んだり遊んだりできる場所を提供しています。
植林・森林保全
有効利用する方法を学びながら身近な資源である森を守り、収入へと導きます。
牛銀行
地域の中で母牛を循環しながら飼育し、生まれた子牛から生じた利益を飼育者の収入と子どもたちの奨学金に充てています。
有機農業実践
堆肥などで土地を改良し健康によい安全な食を提供し環境にもやさしい有機農業を基盤に、これからのライフスタイルを創出します。