新型コロナウイルス感染症の事業への影響と対応

(2020年7月31日現在)

■フィリピンの現状

フィリピンでは、3月に入ってから感染者が増加し、ルソン島全域に「強化されたコミュニティ隔離」の措置が始まりました。その後、国内全域で同措置がとられるようになりました。各家庭での自宅隔離、交通機関の運行停止、警察官による検疫措置の強化、生活必需品・食料・医薬品等を除く店舗や商業施設の営業停止、夜間の外出禁止、アルコール飲料の販売禁止など、厳しい措置です。 現在、段階的に措置のレベルは下がり、経済活動も緩和されてきていますが、依然としてコミュニティ隔離や規制は続いています。マニラ首都圏を中心に感染が再拡大していることから、マスクの未着用やソーシャルディスタンスを取らないなどの違反者には、拘束や罰金など取り締まりを強化しようとする政府の動きも出てきています。 活動地バギオ市内においてもコミュニティ隔離や規制は続いています。経済的に困難な状況にある家庭に対しては、自治体から一時支援金の給付や緊急食糧支援パックの配布などがありましたが、6月以降はその支援もなくなりました。経済活動が少しずつ緩和されてきたとはいえ今後の影響が懸念されます。 コミュニティ隔離以降、全ての学校で突然の休校、自宅待機・学習となりました。通常6月に始まる新学期が、今年度は2ヶ月遅れて8月24日に開始することが決定しました。 教育省や学校では、インターネット環境や通信機器を持たず、オンライン授業を受けられない環境にある子どもたちのため、地元ラジオ・テレビ局との連携、ビデオ教材を使用した在宅学習、人数制限を実施しての教室授業など様々な方法を検討しています。

■現地団体の対応

3月中旬から5月中旬まで約2ヶ月間、リハビリテーションセンターを一時閉鎖し、スタッフは在宅勤務をせざるを得ない状況でした。5月17日以降、オフィス勤務が可能となりましたが、未だ子どもたちと対面しての活動は再開できていません。現在は、保護者とビデオ通話やSNSなどでコミュニケーションを取り、各家庭での理学療法・作業療法・特別支援教育・生活スキル訓練のサポートを実施しています。長期間におよぶ在宅生活で生活リズムを崩した子どもたちもいて、保護者からの相談が寄せられています。 また、保護者からは子どもたちの健康を心配する声がありました。そのため、特に基礎疾患を持つ子ども24人を対象に、免疫力を高めることを目的にビタミン剤の購入費として1,000ペソ(約2,000円)の支給を行いました。 子どもたちの半数の保護者は、雑貨店や食品販売などの小規模ビジネスを営む自営業者です。営業停止の規制により収入が減少し、自治体からの一時給付金や緊急支援物資などのサポートを受けている家庭もあります。JPCom-CARESでは今後、自営業を営む保護者を対象に、事業継続のための少額融資を実施する予定です。

オンラインで保護者にエクササイズの指導を行う理学療法士たち

保護者が週に一度センターを訪問し、作業療法士と一週間の家庭での療育計画の確認を行っている。

保護者のサポートのもと、朝・昼・夕食の調理、掃除・洗濯などに取り組む自立生活プログラムの参加者